過払い金返還請求はどのような人でも行っているわけでは無く、中には何らかの事情で行っていないというような人もいます。例えば返還請求をする権利が既に失われているというような人や、返還請求時に和解をしたというような人は、本来取り返せた過払い金を返してもらえなかった、もらわないことを選んだ人と言えるでしょう。ですが中には、自分から過払い金返還請求をしようとしない人もいるのです。そしてそうした人の最大の理由の一つとなっているのが「返還請求をするとブラックリストに掲載されるから」ということです。
確かにもしブラックリストに掲載されるのであれば、今後あらゆる借金で不利益をこうむってしまいます。そうした事態を避けるために返還請求をしないというのは、一つの選択肢であるようにも見えます。ですが実際のところ、この返還請求でブラックリストに掲載されるというのは大きな誤解です。確かにかつては現在お金を借りている業者に請求をかけた場合、債務整理としてブラックリストに掲載されることがありました。
ですが過払い金の責任は業者の方にあります。法律で定められていない金利を設定したのは債務者では無く債権者なのですから、そこでブラックリストに掲載するのはおかしなことです。このことは全国で大きな問題となり、2010年1月に金融庁が「過払い金返還請求を理由として事故情報を信用情報に記載することに正当性は無い」と結論を出し、当該部分の削除を義務付けました。これによって現在、返還請求をかけたからと言ってブラックリストに載ることは無くなったのです。
返還請求をかけた業者からお金を借りられなくなるということはありますが、あらゆる金融機関からお金を借りられなくなるということはあり得ません。そのためブラックリストを恐れて返還請求をかけていなかったのであれば、時効を迎える前にすぐに動き出すようにしましょう。